休憩室でシェイルと共にニュースを見ていた龍雅は連続殺傷事件のニュースを見た後、結奈に電話をかけるも繋がらなかった。
一抹の不安が龍雅の頭を過ぎる。
シェイル「どうしたのさ?」
龍雅は重くなった口を開いた。
龍雅「お前、大庭綾香を知ってるよな?」
シェイルは頷いて返した。
シェイル「あぁ、この前のお付きの?その子に何か?」
龍雅「そいつ自身じゃないんだが俺は昨日、そいつの友人の女と会っていたんだ。ちょうどあの時間、このテレビに映っているところから比較的近所で…」
シェイル「え!?」
シェイルは目を丸くした。
龍雅はシェイルに携帯電話を翳しながらこう続けた。
龍雅「そして今、奴に掛けたが繋がらなかった」
シェイルは鼻で笑い返した。
シェイル「そりゃあ、あんた普通の女子高生なら今頃学校だよ!!」
龍雅は席を立ちあがった。
龍雅「先ずは奴の在籍する学校に問い合わせて見る。何らかの情報が得られるはずだ」
シェイル「馬鹿!!今時、生徒の情報を教えてくれる学校がどこにあるのさ!!少しは頭を使って……」
龍雅は作業服のポケットからあるものを取り出しシェイルに突き付けた。
龍雅「『国家安全保障機構』の手帳だ。俺クラスの部隊には全隊員に配布されるしその効力は退役してもある程度は保障されるらしい」
シェイルはただ固まるしかなかった。
龍雅はすぐに結奈の在籍する高校に足を運んだ。
学校は昼休みの時間帯で龍雅はさっきの手帳を見せると直ぐさま応接室に案内された。
そこには鈴木と名乗る結奈の担任をやっている中年の女性教師がいた。
龍雅は軽く会釈をし椅子に腰掛けると早速切り出した。
龍雅「早速ですが鈴木先生…でしたよね?先生のクラスに桜井結奈という生徒が在籍していると聞きました」
鈴木は頷くと口を開いた。
鈴木「はい、ですが今日は登校していません。それどころか自宅にも帰っていないみたいで…」
龍雅の表情は険しさを増した。
龍雅「桜井結奈さんに何らかの変化があったわけではないですよね?ここ最近は?」
鈴木「えぇ、特に…でも変化があったとしたら…」
龍雅は鈴木のそこからの発言に関しては聞き流すつもりであったが、そこには重大な事実が入っていた。