これは如何なることなのか。
いつも通りに目を覚ますと、どうも体の調子がよろしくなさそうだ。
どうやら歳らしい。
そこに足音が近づく。
聞き慣れた足音だ。
身長162cm、体重56kg、年は四十後半の女性の足音だ。
予想どおり部屋の前でとまった。
それからこう言うだろう。
「朝よー、早く起きなさい。おきないと、額に糊を塗ることになるわよ。」
予想どおり。
しかし当然、体の調子が悪い私は起きない。
その後、彼女は部屋に足を踏み入れながら叫ぶ。
「早く起き…、きゃあー…」
どうやら、いつもと台詞が違う。
「かつーんの部屋に大きな虫がいる。お父さん、殺虫剤もってきて。」
虫なんか無視だ、などとくだらない事を考えながら、様子をみていた。
そうすると、彼女は持っていた新聞をまるめて、私に殴りかかってきた。
「Genocide!」
よくわからない横文字を発している模様。
やれやれ、冗談は顔だけにしてください。