纏わり付くもの?

ゆうた  2007-12-03投稿
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医者はデスクに向かい、ペンを走らせていた。私が入ると、はたとペンの動きをやめ、ゆっくりと私のほうに振り向いた。
目が合う。途端、いつもの癖で私は顔をしかめ、目を泳がせた。
しかし、ここは病院。なんのために此処に来たのか考え直すと恐る恐る焦点を医者の眼球に伸ばしていった。
−違う−
まるで普通の人を見るような医者の目は、珍しい不思議なものを見る凡庸人とは違っていたのだ。

道行く人々は、例外なしに潜かに面罵し、残酷な視線を浴びせてくる。そして耳に届くのはいつまでも波紋する嘲笑だけだった。
私は初めて人間として見られたことに、すっと安心憾が染み入って、底ごもった不安憾も次第に抜けていくのだった。

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