独り教室に残る俺
身支度が遅く、いつも最後になってしまう
そんな俺の所に駆け込んで来たお前
『先輩、また最後じゃないですか』
笑いながらお前は言う
もう部活は引退している
『何だよ!』
少し先輩ぶって言ってみた
お前はいつもの調子で
『何だよって。
今日は部活ない日だから、一緒に帰ろうかと思って。』
一呼吸おいてまたお前が言う
『可愛い部活の後輩が、わざわざこんなおっかない先輩を慕って来てあげたっていうのに…。』
こいつとの会話はいつもこんな感じだ
だが確かに、みんな後輩は俺を怖がり避けている
別にだからといって何とも思ってない
身支度を済ませると俺は黙って部屋を出た
後ろからちょこちょこついてくる
帰る途中お前は、給食の事や、発表した事など、ホントにくだらなぃ話を楽しそうに俺に話してきた
俺自身そんな時間が嫌いじゃなかった
お前と別れる所にすぐ着く
『じゃあまた明日』
そう言うとお前はいつまでも
後ろ向きで歩きながら手を振った
『転ぶぞ!』
言ったそばからマンホールにつまづき転んだ
照れながら笑うお前
そっとかけより声をかけた
『ばぁか』