龍雅は結奈の安否を確認するために結奈の在籍する高校へと足を運んだ。
そこで鈴木と名乗る担任の教師から結奈が登校していないことを知らされる。
その情報だけを知りたかった龍雅は後の鈴木の話を聞き流すつもりでいた。
鈴木「実は桜井さんで三人目なんですよ。行方不明というか突然姿を消した子は…」
龍雅は特に興味があったわけでは無かったが話を繋げることにした。
龍雅「宜しければその生徒の名前も教えて頂け無いでしょうか?」
鈴木は少し間をおいた後、思い詰めた表情で切り出した。
鈴木「瀬崎隆也君と大庭綾香さんです。大庭さんは精神的ストレスと医者に診断されたので自宅療養中ですが…」
龍雅(…なんだと?)
龍雅にとっては一般の学校生活など大学の講義で聞いた程度ではあったものの三人の関係は龍雅が思っていたよりも近しい関係にあった事は容易に理解できた。
鈴木「瀬崎君はテロ組織に拉致されたと聞いています。どうしてそんな政治的に無関係な子を巻き込むのか私には理解できません」
鈴木の言葉で龍雅の心は痛んだ。
隆也が革命教団に加担するきっかけを与えたのは自分が原因であると考えているからだ。
学校を後にした龍雅は携帯電話で綾香に連絡を取ってみる事にした。
しばらくすると掠れ声の 綾香が出た。
龍雅「…すまない、俺だ。もしかしたら瀬崎隆也の行方がもうすぐ解るかも知れないんだ」
綾香「そんなことよりも…結奈と…繋がらないの…どうしてアタシの周りだけ…」
綾香の声は震えて更に力が無かった。
龍雅は続けた。
龍雅「これは俺の推測何だが…今瀬崎隆也と桜井結奈同じ組織の管理下に置かれている可能性が高い」
綾香「だからってこれからどうすんのよ?」
龍雅「アテはある。だからお前はとにかく友人の無事を祈れ。お前のなくしたものは俺が全て取り返すから」
そう言って龍雅は電話を切った。
その頃、日の光が一切射さない暗闇の部屋で桜井結奈は目を覚ました。
縄で拘束され足以外の自由が奪われていた。
結奈が起き上がると奥の暗闇から男の声が聞こえた。
「はじめまして…桜井結奈さん」
声と共に姿を現したのは銀髪の男ガイラーであった。
ガイラー「これから僕の質問に答えて下さい」