「そういえばさ、初めて会った時もまゆげ繋がりだったよね」
舞い降りてくる白い雪を見ながら私が言う
「え。そうだっけ」
私がギロっと睨むと、君は頭を押さえながら言う。
「ウソだょ覚えてる」
君はそういって雪が1cmくらい積もった土に、atsushiと描いた。
「なに自分の名前描いてんの」
隣にしゃがみこむと、‘ァツシ’はその文字をハートで囲った。
「これは俺だけのatsushiじゃねぇもん」
「お前のも入ってんの」
そして、‘アツシ’は私の手を強く握った。
「あれから、もうすぐ一年たつんだよね」
アツシは静かに、うんとだけ言った。
あれから一年。
私達が全てを失ってから、もうすぐ一年がたとうとしている。