「それじゃ、仕事いくね」
「行ってらっしゃい」
ホテルの入り口までたつやを見送り、部屋に戻る。
一つだけ乱れたベット…
「あぁ…もう!!」
きれいなベットをぐしゃぐしゃにして、頭を抱えた。
最低!
だんないながら二股?なんて最低な女?
とおるになんて言うの?たつやにばれたら…だんなは?こどもは?
あたまがぐるぐるまわりだし、ふとんにバフッとたおれこんだ。
気付くと約束の時間間際だった。
あわてて、身支度をして主人に頼まれた用事をすましにでかける。
鏡の中には、さっきまでいた女とはちがう、貞淑な妻の私がいた。