水溜まりに手をふる男(第2章)

ポロンチョ牡丹  2007-12-05投稿
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月に照らされた水溜まりは、チロチロ暗く反射しています。

僕が何気なく、その水溜まりを覗こうとした瞬間。

今度は後ろから、

「あぶないって……。」

と、声がしました。

目の前にいたはずの婆ちゃんが、後ろから現れたのです。

水溜まりよりもなによりも…。

(この婆ちゃんが一番おかしい…???。。)

しかし服装は、何でもない普通の格好をしていて、暗くてよく見えないけど顔は下町にいるような婆ちゃんです。

足もちゃんとあります。

だとしても、こんな夜更けに一人で………。

(まさかボケ老人??)

きっと散歩がしたくて、家をこっそり抜け出したはいいが、帰れなくなったに違いありません。

婆ちゃんはこっちを見ながら、ただボォヤ〜と、うすら笑みを浮かべています。。

「のぞきたきゃ……、

のぞけばえぇ……。。

ただ…覚悟を決めて、のぞきなぁよぉ〜……。」

(………。)

ふと視線の先が水溜まりにもどりました。

水溜まりの水面には、波紋のようなものができては消え、できては消え…。

より一層、水溜まりをチロチロと…濃くて暗いものにみせています。

(うわぁ〜、、婆ちゃんのオシッコだったらどうしよう???。)

僕はそんな事を思いながら、水溜まりを覗くか、覗くまいか、迷っていました。

すると、婆ちゃんは僕の横からヌッと顔を覗き込み…、

「あんたは…
……賢いねぇ…。」

(な、何なんだこの婆ちゃんは…。)

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