騒ぎ立てる大きな物音を聞き付け4、5人の看護士共が駆け付けた。 それでも狂気は治まることはなく、床に血を滴らせながら、さらに拳の傷を拡張させていく。 一時間くらいあがいただろうか。荒げた息は興奮によるものだけでなく、疲弊を伴ったものとなっていった。 この隔離された部屋。厳重に鍵のかかった病棟の扉。先をみれば永劫に遠い外の世界。 私は滴る血液を見ながらそう耽り、ぐったりと坐り込んだ。
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