なにやらひそひそと誰かが誰かに指示する声が聞こえてきた。 「…ベッドに縛りつけて…」 私はベッドにいた。仰向けにされた昆虫のように、もがいてももがいても解決策がない。 四肢は太い紐できつく締められ、ご丁寧に鍵付きのものだ。 きつく締めらたれた紐の下で波打つ鼓動が感じられた。ほとんど規則的で、それは脅迫的なものに思えた。 なにもない天井を眺めながら、私は鼓動をひとつひとつ数えていた。 数えながらここに来るまでのことを思い返していく。
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