纏わり付くもの[終]

ゆうた  2007-12-05投稿
閲覧数[396] 良い投票[0] 悪い投票[0]

サラリーマンだった私。毎日上司に罵倒され、それでも上からの命令は絶対だった。
間違ったことにも「はい」と首肯し、意見主張など微塵も通らない。ペンテルのカラス。
まるで軍事主義の名残を残した社会。権力の前で私の精神は参ってしまっていた。

そして逃げ込んだのが此処だった。
しかし、ぶざまなすぎる今の状況。屈辱でしかない。
強行手段を取れば益々事態は悪化するだろう。なにもできない自分が惨めであった。
薄暗くなってきた外の模様に淡い赤が色付く。窓から注ぎこむ同じ模様に切なさが感じられ、挫折感に限りなく近い妥協を虚しく誓った。

何処へ行っても纏わり付くものからは逃れられないのだ。
−完−

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ゆうた 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]
アプリDLで稼ぐ!
“Point Income”


▲ページトップ