KISARAの恋[7]

KISARA  2007-12-05投稿
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「あー、まだ風呂入ってへんし、そろそろヤバイかなー。」

「ごめんねー、つい色々話しちゃって。」

「いや、大丈夫ですよ、でもまぁ、とりあえず、今日はこの辺で…。」

少しの沈黙が貴更を緊張させたが、あゆみの返事は意外なものだった。

「うん、分かった。あのさ、1つお願いがあるんだけど。」

「内容によりますけど、それでいいなら。」

「うん・・・また、明日、話したいっていうか、声を聞きたいんだけど、私から電話するからいいかなぁ?」

かなり困惑したが断れなかった。

「あ、はい、いいですけど、時間とかは…。」

「夕方、仕事から帰ったらメール入れとく。貴更さんも夕方までバイトでしょ?」

「一応、18時までなんで、帰ったらメール見ときます。電話は22時ぐらいがいいかなぁ。」

「多分、それまでにメール入れておくから。用事がなかったら22時ぐらいで大丈夫だと思うけど、分からないの。」

「あ、無理しなくて大丈夫っすよ。別に明日じゃないとダメな理由もないし。」
「ううん、明日がいいの。我侭だからね、私。」

貴更は明日も遅くなりそうだなぁと、その時は喜びよりも戸惑っていた。

「我侭ねぇ…。ちょっと違う気がするけど、分かりました。じゃ、そういうことで。」

「うん、電話、ありがとね。すっごく楽しかったし話せて嬉しかった。また、明日ね。」

「あ、うん。僕も電話してよかったです。じゃぁ、おやすみなさい。」

そう言うと、やっと電話を切った。貴更は大きなため息をついた。また、明日もだ…と複雑な気分になっていた。

風呂はとっくに入っていたのだが、延々と続きそうな気配を感じて、初めての電話だったし、緊張もしていたので精神的に疲れてしまった。

その晩はでも、興奮していたのか中々寝付けず、明日はどんな話をしようかな、などと考えていたが知らぬ間に寝てしまっていた。

次の日、バイト中もあゆみのことが気になって、同僚から、「何か複雑な顔つきしてるな。事件ですか?」と言われてしまった。



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