多重恋愛21

 2007-12-06投稿
閲覧数[293] 良い投票[0] 悪い投票[0]

「…恨んでますか?」
私は、聞いてはいけないことを聞いた。

「愛しています。いまでも。奥様や、ご家族を恨む気持ちもなく、彼の愛していたご家族の悲しみもわかります。」

「そうですか…幸せでしたか?」

「もちろんです。幸せな恋のおわりかたをしました。」

「軽蔑はしませんか?彼を」

芸能レポーターのように、質問を投げ掛けた。

「なぜ?」

彼女がきょとんとして答えた。

「結婚しているんですよ?」

「結婚しているのはわかるけど、ご家族への愛と義務はきちんと果たしていたわ。逆に聞くけど、一人の人間しか愛してはいけないの?」

コーヒーをまた口に含み、さらに続けた。

「不倫をするひとが非難されるのは、義務をはたさないからよ。愛のキャパの大きな人なら、たくさん愛して問題ないんじゃないの?そんな彼を愛して後悔はないわ」

さっきまでの彼女とは違う、自信にあふれた彼女の答えは、私の中の『何か』を壊していた。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 繭 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ