目をさますとそこは暖かいベッドの上だった。
あれから三ヶ月がたち負傷したギリアムの傷も癒えトカゲになったカーレルもようやく落ち着きを取り戻した。
ギリアムたちを助けてくれたのは元傭兵のハバスという老人とその孫のノノコであった。
目をさました二人は名前を聞かれギリアムはガリオン、カーレルはレックスと言う偽名を使った。
ハバスが信用出来ないわけではないが脱獄した身である。
きっと二人の手配書は出回っているだろう。
迷惑はかけたくなかった。
「二人ともご飯だよ!」
ノノコがはしゃぎながら二人を呼んだ。
食卓に付き四人は夕食を食べはじめる。
「そういえばレックスっておかしいよねぇ!
トカゲさんなのに人間のにおいがするもん」
ノノコは不思議な子だ。
においでその人間が悪人なのか善人なのか、はたまたカーレルが元人間であることもわかっていた。
「俺は元は人間だからな!
呪いのせいでこうなったんだよ」
カーレルはノノコに説明するがノノコにはまだ難しいのかよくわからないようだ。
「わしの知り合いに魔術師がおるのじゃが、その者ならレックスの呪いのこともわかるかもしれんのぉ」
ハバスが思いついた。
「本当か!?
なんでそれを早く言わないんだよ!」
カーレルはハバスを問い詰めた。
「忘れとった」
ハバスはしらっと言ってのけた。
「じぃじはボケてるからねぇ」
ノノコが茶化した。
「それでその魔術師はどこにいるんだ?」
ギリアムが問いかけた。
「ここから少し南下したところのピーク村じゃ」
ハバスは答える。
「それじゃあガリオン!明日その村にいくぞ」
カーレルは意気揚々とギリアムに命令した。
「勝手にしろ!」
ギリアムがムッとしたようにカーレルに言い放った。
「じゃあ明日朝早く出発するからな。
そろそろ寝るぞ」
「勝手にしろ!」
二人は二階に上がり床についた。
「ねぇ、あの二人ってホント不思議だよねぇ」
ノノコがハバスに言った。
「何がじゃ?」
「だってレックスはトカゲさんの姿をしてるけど人間のにおいがするの。
でもね、ガリオンは人間の姿をしてるけど...」
「?」
ハバスが不思議そうにクビを傾げる
「ガリオンは獅子さんのにおいがするもん」
こうして夜はふけていった。