田村の言葉に俺は怒りをあらわにした。
「何だお前! 戦いもしないくせに偉そうなこと言うな! 原田クンはすごい一番なんだ、その原田クンに挑戦できるのは二番の高橋クンだけなんだそ!二番にもなれないお前には何も言う権利ない!」
意外な人物の言葉に教室は静まりかえった。
「ごめん・・・ 俺つい・・・」
高橋に謝った。
「別にいいよ、二番の高橋ねえ・・・」
高橋が言った。
「あっ、やっぱり怒ってるじゃん」
「怒ってねーよ」
高橋は笑顔だ。
「それよりよ、お前鍛えたのか? 原田が苦戦してたからよ」
「高クンとの勝負で疲れてたんじゃないの、でも原田クンがいるかぎり高クンはもっと強くなるね」
「何だよそれ、ほめてんのか」
さらに笑顔の高橋。
俺はジャージに隠れた力こぶを触った。 完