龍華と力也は空港の到着ロビーに着くと、目を丸くして、辺りを舐める様に見回した。
「アイラ人がいっぱい…」
「しかもみんな美男美女だらけじゃねえか…」
龍華と力也は何故そこまで驚いているかというと、
北海道に住んでいるアイラ人は、本土の日本人とは違う独自の文化を持つ民族で、北海道の約8割の人々がアイラ人である。
そして、アイラ人は人間の一種族にも関わらずほとんど者が魔力を保有している為彼らの反乱を恐れた政府と、アイラ側も経済的な援助を求めていた事もありお互いの利害が一致したので70年前の1930年に政府とアイラ民族は、アイラある程度の自治を認める変わりに、東日本に編入させる事を決定し、アイラ民族自治区―北海道が誕生した。
そしてアイラ人は白い肌に灰色の瞳、彫りが深い顔立ちにの上にスタイルの良い者が多く美男美女達の楽園となっている。
「あんた達…本当に予想通りのリアクションするわねぇ…
それじゃまるで修学旅行に着た高校生みたいよ。」
二人の大人気ない様子を見て半ば呆れながら咲島ジュリアはそう言い放った。
ジュリアは二人とは違って落ち着いた様子である。
そして周りのアイラ人達は、天使が珍しいせいかなのか、三人に多くの視線が注がれている。
そんな中…
『おかしいな…』
龍華は本土との決定的な違いを感じていた。
『ジロジロ見られてるけど…憎悪とか…偏見の感情を感じない…何でだ?』
本土なら外へ出れば何処へ行っても背中の黒い翼のせいで多くの偏見を受ける。
しかし此所では全くその様な様子が無いのだ。
そして…
「「「あのぉ〜」」」
龍華は後ろから声を掛けられて立ち止まった。
振り替えるとそこには高校生と思われるアイラ人の女学生達がカメラを手に、軽くほほ笑んだ表情で佇んでいた。
「一緒に写真撮ってもらえませんか?」
「はぁ…!?」