あなたと夢を描いた
永遠に続くはずの夢を
いつか結婚しよう
一年は二人で過ごして
子供は三人
男の子が産まれたら俺は一緒に野球をしたい
女の子が産まれたら私は一緒に料理をしたい
小学生になったら私はパートをする
子供が帰って来る時間には絶対家に居てあげたい
ご飯を作って待っててあげたい
学校であった出来事を聞いてあげたい
沢山褒めてあげたい
あなたが帰って来るまで起きてる
必ず『おかえり』を言うの
朝はあなたより先に起きて朝ご飯を作ってあげる『行ってらっしゃい』は欠かさない
俺は週に一度は晩酌がしたいな
起きて待っていてくれるだけで嬉しいよ
たまには家族で外食もしたいな
女の子だったら大きくなった時やっぱり嫌われるのかな
悲しいな
でも早く見たいな二人の子供
顔はお前に似てる方がいいのかな
二人の子供ならどんなんでも可愛いか
歳を取って俺が仕事退職したら二人で何か趣味見付けような
その頃は孫なんか抱いてんのかな
二人で散歩したりゆっくり暮らしたいな
幸せだよなきっと
幸せだった
思い描くだけで未来が輝いていた
叶えようとしなくても叶うと信じていた
描いた夢が少しずつ消えて行く
あなたを失ってからも私の中で生き続ける夢
風の頼りで聞いた
あなたが結婚した
子供が産まれた
奥さんは綺麗な人だよ
時は巡る
知らない所であなたはちゃんと生きていて私と叶えられなかった夢を叶えている
悔しさと悲しさが融合して苦しくなる
別れから私の時間は止まったままだった
進み出す時間
その瞬間描いた夢が消える
消さないと消えないと私は孤独になる
夢は叶う物だと思っていたけど叶えようとしないと叶わない物なのだろうか
何処が欠けていたのだろう私達の夢は
完璧に描いた夢は上手く描けていなかったのかな
誰が色を塗り間違えたのだろう
描き上げるのは困難なのに消えるのは簡単
それを真っ白に戻すのはもっと難しい
あなたはもう忘れてしまっただろうか
私達の描いた夢の上から今の夢が描かれる
あなたの中で完全に消えてしまっただろうか
教えて欲しい
私はあなた以外のどんな色で夢を塗り潰せばいいのだろう