きのう泣いた君へ…

あつは  2007-12-08投稿
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「ちょっ!ちょっと待って!」
とっさに体がアキトを避けた。 
「あの…私、今日、生理なんだよね…。だからさ…初回から流血なんてやだし。フフッ」
あぁ…私の人生、こうやって嘘で塗りかためられていくんだろな。 

沈黙を破ったのはアキトだった…。怖かった…。 
まだ付き合って3ヶ月だけど、今まで見たことがないアキトが目の前にいた。 
「お前さぁ。ここまできてばっくれるわけ?ふざけんなよ。」

頭が…真っ白になった。 アキトが、私の首をしめた…。 
「いい子ぶんなって。有名だよ?お前。やりマンだって」

アキトは私の上にまたがり、首から手をはなした…。 

「なんだ。お前…生理ぢゃねぇじゃん…」


もう、言い訳の言葉が見つからない。私が嘘をついた事に、余計に腹をたてたみたい…。アキトは、もう、犯罪者の顔をしていた…。 


「いや〜〜〜っ」





私の… 
初めては、「捧げる」でもなく、「捨てる」でもなく、  
奪われた…。 

幸か不幸か、血は出なかった。処女じゃないと、そんなくだらない嘘は貫けたみたい。 

「別れてもいい…?」
声をふりしぼって、私は言った。 
「はぁ?……めんどくせー奴。いいよ。別に」

「じゃ、これで…おしまいって事で。バイバイ。学校でも…無視してね」

私は、今言える精一杯の言葉で、アキトに別れを告げた。下着だけ、急いではいて逃げるようにアキトの家を出た。途中、やっと出てきた血をなんとかしなくちゃ…って、小さな薬局でナプキンを買った。 
「あら〜。女の子はいつも持っておかないと〜」

そう、呑気に笑う店員のおばちゃんに私は笑顔で答えた。
 「急に生理になっちゃって…」
上手く、笑えてるかな、私。上手く、嘘はつけてるかな…私…。ねぇ…。誰か…優しく抱きしめて…。

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