mama色?

chiko  2007-12-08投稿
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いつもはキンモクセイの道を走る時必ず自転車を停めて、母と色んな話しをする。
今日あった事とか、晩御飯の事とか、バレエの事とか、時にはしりとりしたり…。私にとってキンモクセイのニオイは母だった。

そして。それは今も変わらない。

少しでもドコからか流れてくると、私はその日一日キンモクセイのニオイを思い出す事がデキル!

でも今日は違う。

キンモクセイの道も猛スピードで走り去り、大好きなあのニオイは一瞬にして、消えた…。

私は自転車の後ろで、ただビクビクと怯えていた。

病院に着くと、母は私を抱き抱え一目散に受付へ走り込んだ。

それまで母にビクビクしていた私も、抱き抱えられた瞬間…一瞬だけどあのキンモクセイのニオイがした気がしたんだ…。

怪我はたいした事なく、血もすでに止まっていたので、
『今日一日は安静に…』
と言う事だった。

それでも母は…
『傷は残りますか?』
と私の頭を撫でながら何度も聞いていた。

病院の帰り道…

私は『明日から幼稚園に行くのイヤだなぁ〜
お家に着いたらお母さんに怒られるのかなぁ〜』
と、思いながら自転車の後に座った。

すると母の自転車はいつものスピードで、私は少し安心した。
でも『明日幼稚園を休みたい』と言えそうな雰囲気ではない事だけは子供心に感じた。

《でもお休みしたい事は言わなくちゃいけない!どうせ怒られるなら早い方がいい》と思い、不安イッパイで母に聞いてみた。



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