『チコは、それに気が付ける子だとお母さんは思うよ!不器用だけど一生懸命でちゃんと頑張ってるの、お母さん知ってるから。
前にバレエやめたい?って聞いた時…続けるって言ってくれたでしょ…
お友達と遊びたいのわかってたけど、それでも続けてくれて、そして今もちゃんと頑張ってる!
だからね。チコには小さな幸せを見つける事が出来ると思うよ!
どんな時も一生懸命にひたむきなチコなら…。
器用じゃなくていい。
ただ自分を信じて、諦めないで。
きっとチコだけの幸せにたどり着けるから』
私には少し難しい話しだったけど、夕日に照らされた母の顔…そして優しいキンモクセイのニオイ…。
その時私の口から自然に言葉が出た。
『お母さん。今日の小さな幸せは、お母さんが綺麗な事だね。』
『ばかね。』
と、母は微笑んだ。
『あっ!もう1つ。
今日の朝ご飯がパンだった事!』
私の家は毎朝日本食で、ご飯とおみそ汁に一品。でも今日はたまたまパンだった。
私は白いご飯よりパンが好きだったの。
すると母は、
『明日はご飯とおみそ汁よ。』
『ウゲェ〜』
夕日に向かって二人は笑い合いました。
【自分を信じて諦めない】コレが母と交わした二つ目の約束だった。