『今、何て言った…?』 『愛、あなたはガンなの…。』
その宣告を受けたのは私が19歳の時でした…。
『おじさん、いくらくれるの?』
私は暇さえあれば援交ばかりしていた。
朝帰りしては親から怒鳴られ。反抗して。家出して…毎回同じ事の繰り返し…
自分の人生なんて早く終わってしまえばいいのにって思ってた…。
だけど今の彼氏に会って変わったんだ。前の自分なんて嘘みたいに援交も辞めたし、人生捨てたもんじゃないなぁって…。
だけど、なにもかもがそんなにうまくいくわけなかたんだね…
ちょっと前から体の調子が悪かったの自分でも気付いてた…。
ずっと寝不足ぎみだったから風邪かなぁって…。
病院に行ったけど検診だけだったし…
だけど気付いたら私は入院してた…
親が念のためだって言うから仕方なく…。
親、その時私と目合わせなかった…。
それから毎日薬に点滴の繰り返し…。まぢだるいから帰ろうと思って起き上がったら枕に大量の髪が…。
『嘘…。なんで…?』
目の前におかれている状況を私は信じられなかった…。
『愛に言わないつもりだったけど…あなたはガンなの…うぅっ』
母はそう言って泣き崩れた。
『なんで?私まだ19よ…。まだ死にたくない!!』
『ごめんなさい…お母さんなら良かったのに…。』
私の身体は、いろんな所にガンが転移してるらしい…
いわゆる末期ガンだ…。
余命3ヶ月…
俊と結婚の約束もしていたのに…
それから私は日に日に痩せていき、まるで魂が抜けていくみたいに表情すらなくなった…。
『今すぐ結婚しよう!!』
俊がそう言ってくれた。
嬉しかった…
だけど私は、
『重いの…私もう俊の事嫌いになったの…。』って…
思ってもない事言う事しかできなかった…
だって好きだったから…
俊には幸せになって欲しかったから…
だから涙を必死にこらえて嘘ついた…。
それでも俊は毎日プロポーズしてきた。
日に日に醜くなっている私に…
私は病院のベットの上でウエディングドレスを着る事ができた。
喉に太い管を通したまま…
『俊、ありがとう…赤ちゃん産んであげれなくてごめんね…愛してる…』
小さなカスレ声で必死に彼の耳元で私はそうつぶやいた…。