今僕自身が考えきれる過去…、それ以上の全ての記憶が、曲のように流され続けました。。
まさに全てが、そこにはあったんです。
生まれてくる前から今にいたるまで…、僕の全ての記憶が流されて。
もっていたはずの悩みが溶けるようになくなりました。
いや、今まで思い悩んでいた僕の世界、悩んで思い出しきれる過去なんて、とても小さくて…
なんだそんなものかと言ってしまえば終わりなのですが。
そんなのも全てひっくるめて、僕の過去だと受け入れざるえませんでした。
そうなんです。
過去を受け入れて生きていく事なんて…
簡単なことだったんです。
それは今の自分を受け入れて好きになること。
たったそれだけの事だったのだと、気づかされました。
たくさん湧き出た大粒の涙…、その分だけ感謝の念が溢れてくるようです。
相変わらず婆ちゃんはテクテクテクテク……
横目でチロッチロッと僕を見ながら歩いています。
(そういえばさっき…、下を見た時、上を見上げて僕が僕に手をふってきてたなぁ…。)
思い返したように上を見上げると。
いました。
僕です。
驚いた様子で下を見ている自分の姿がはっきり見えます。
(そういうことかぁ…!)
なるほど上に見えるのは過去の自分で、下に見えるのは未来の自分。
上も下もないとばかり思っていたのですが。
上と下…過去と未来に分けられていたのです。
今現在の僕からすれば、上に見える自分は過去の自分の姿で。
過去の自分からすれば、下に見えている今の僕が未来の自分なわけです。