水溜まりに手をふる男(第10章)

ポロンチョ牡丹  2007-12-10投稿
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面白くて嬉しくて…。

僕は過去の自分を見上げて、手をふりました。

でも、過去の僕は、手をふりかえしてはくれなかったんです。。

だとしても、これはすごい事です!
過去の自分に手をふるなんて?!
なんて素敵な事なのでしょうか。

過去の自分からすれば、未来の自分から手をふられてるわけだから…、
それもそれで素敵ですよね。

未来への不安なんて背負っていても仕方ありません。

今現在の自分が、過去の自分自身へ手をふってやればいいんです。

(今いる僕は常に過去をつくり続けている…。)

突然、目の前にふっと、ブランコが現れました。

婆ちゃんは歩くのを止めて、そのブランコにちょこんと腰かけます。

キィィコ、キィィコ、…こいでもいないのに独りでに、婆ちゃんを乗せたブランコが動き出しました。

「あんたには見えるかい…?。
この世界に流れ込んでくる涙の結晶が…。
この結晶達が、この世界をつくっているんだよ…

この世界はね…、今まで生きてきた、ありとあらゆる感情とゆう感情が作りだす、人々の念が…

涙の記憶となって溜まってゆく、ため池なんだ……。
何も人間だけじゃない……。
空も雲も大地も…、涙を流すって知ってたかい?

原子の記憶から星々の記憶まで…、宇宙の記憶すべてが…ここにはあるんだよ…。。

わかるかい?

死んでも記憶は残るんだ…。。」

ブランコが大きく揺れるにつれて、婆ちゃんは小さくなっていきます。

「ええ!、ちょっ?ちょっと!?
どうなっているんですか??!?」

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