「あたしゃ…忙しいんだ…。
もう消えるよ……。」
そう言ってどんどん小さくなっていきます。
「待って下さいよ??!
僕はどうすればいいんですか!!」
「知らないよ…。
自分でお帰りな…。
七つ目の方角へ進めば帰れるよ。。
そこで大地の涙を拾うんだ…。
後は簡単さね…、あんたなら、もう大丈夫だ…。………。」
そう言い残して、婆ちゃんはプツリと消えてしまったのです。
僕は来た道を引き返そうとしましたが…、どこをどう歩いてきたのか全くわかりません。
取り残された僕には、この世界が恐怖にしか見えませんでした。
水溜まりの底の方には、重い涙の層になっていて、心の闇が渦巻いています。
「うわぁ〜、神様助けてぇ。うわぁ〜、どうしよう、どこへ、どう行けば。。」
迷って我を失いかけた時
『七つ目の方角へ!』
と頭の中で声がしました。
しかし、その七つ目の方角というのがわかりません。。
(右でもないし左でもない、…!。
右、左、前、後ろ、上と下。違う…。。!。
東西南北に天と地だ!!いやそれだと一つ足りない。。
何だろ???何だろ??。。
ええ〜い!!やっと自分を受け入れられたんだ!!帰りたい!帰りたい!!)
帰りたい一心で無我夢中に前に進みました。
すると、なにやら足もとに光る物を見つけたんです。
手にとってみると、それは涙の形をした水晶でした。
(大地の涙…?)