水溜まりに手をふる男(第11章)

ポロンチョ牡丹  2007-12-10投稿
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「あたしゃ…忙しいんだ…。
もう消えるよ……。」

そう言ってどんどん小さくなっていきます。

「待って下さいよ??!
僕はどうすればいいんですか!!」

「知らないよ…。

自分でお帰りな…。

七つ目の方角へ進めば帰れるよ。。

そこで大地の涙を拾うんだ…。

後は簡単さね…、あんたなら、もう大丈夫だ…。………。」

そう言い残して、婆ちゃんはプツリと消えてしまったのです。

僕は来た道を引き返そうとしましたが…、どこをどう歩いてきたのか全くわかりません。

取り残された僕には、この世界が恐怖にしか見えませんでした。

水溜まりの底の方には、重い涙の層になっていて、心の闇が渦巻いています。

「うわぁ〜、神様助けてぇ。うわぁ〜、どうしよう、どこへ、どう行けば。。」

迷って我を失いかけた時
『七つ目の方角へ!』

と頭の中で声がしました。
しかし、その七つ目の方角というのがわかりません。。

(右でもないし左でもない、…!。
右、左、前、後ろ、上と下。違う…。。!。

東西南北に天と地だ!!いやそれだと一つ足りない。。

何だろ???何だろ??。。

ええ〜い!!やっと自分を受け入れられたんだ!!帰りたい!帰りたい!!)

帰りたい一心で無我夢中に前に進みました。

すると、なにやら足もとに光る物を見つけたんです。

手にとってみると、それは涙の形をした水晶でした。
(大地の涙…?)



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