バスターズ!・第九話「ファイト」

博上 文  2005-10-19投稿
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振りかざされた爪を女は体を左にスライドさせ、片手で受け流した。受け流された爪は地面をえぐった。
その隙に女は怪物に華麗なフットワークで近寄り足に強烈なローキックをあびせた。
「ビシィッ!」という音がして怪物の体がグラリと揺れる。さらに女は怪物の脇腹に一撃、正拳突きを繰り出した。
「グガァッ!」
唸りながら怪物がよろめく。よろめいて下がった頭に女は今度はハイキックを食らわせた。
「ガッ!!」
鈍い音がして怪物がまた唸り、更によろめいた。
「どうした?その程度か?」
女の挑発がわかるのか、怪物は怒り狂った様に叫びながら女に噛み付こうとした。が、カウンターの強烈なアッパーが怪物の顎をとらえ、その巨体は吹っ飛んだ。
ドシャッと地面に体を打ち付けた怪物は仰向けになってヒクヒクと体を痙攣させている。
全ての口から紫色の液体が流れ出ていた。
女は怪物の傍まで来ると、苦しんでいるところに容赦なく腹のあたりに思いっきり拳を突き立てた。
怪物の体は「く」の字に曲がり、「メキメキッ!」と音がして、怪物はガクリと息絶えた。

「ふぅ・・・武器を使わなければこんなもんか・・」女の体には傷一つついてはいなかった。



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