「ねぇ、お嫁さんにしてくれる?」
「うん。してあげる。」
幼い頃、キミと約束した事は…“絶対叶う”と信じて疑わなかった…ボクだけど…。
今なら…解る…。
あの約束が…決して…叶わない…という事を…。
成長したから、気付けた…キミのコトに…。
「ねぇ…お嫁さんにしてくれる?」
消えそうな声で、キミはボクに言う。
「…うん…してあげるよ…。」
ボクは優しく答える。キミは、嬉しそうに微笑むが……この約束が…叶わない事を…ボクは知ってる…。病室のベットで横たわるキミを見て…ボクは…涙ぐむ……。
「泣かないで?もぉ…頼り無い旦那様だなぁ…」
キミの優しい手が、ボクの頭を撫でる…。
…でも…この約束が叶わない事を…ボクは…ボク等は…知ってる…。
だから、“今”を一生懸命…一緒に生きよう。
キミの…命が尽きる迄。
…愛おしい…キミと。