一日目
「あと九日……。」
陽一はため息をついて歩き出した。
歩き続けていたら、目の前に白い点が遠くに見えて来た。
回りが真っ暗なのでより目立つ。
その白い点は少しずつ近ずいてきた。
それは高く高く闇にそびえ立つ白い大きな壁だった。
「ん?」
陽一は壁に貼られた漆黒色の貼紙を見つけた。
内容は…………‥‥。
『この空間の秩序、掟を詳しく記します。
この空間では一日中眠らず食わず飲まずでも、飢えて死ぬ事などは一切ありません。
なお、この空間にはあなたしかいない為、一切の店等は存在しません。
したがって、通貨、携帯機器類などは使用できません。
それでは、健闘を‥‥。』
であった。
適当な事言いやがってよ!体験する立場になってみろよ、こんなトコに放り出されて…………!
『フフフフ…‥。』
心の中でぼやくと時を同じくしてまたあの声だ
『仕方ないでしょ?
貴方の日頃の行いが悪かった報いですよ。
それに…………‥私だってかつては今の貴方の立場だったのですよ…………。』
―続く―