何不自由ない時代 16

シンヤ・G  2007-12-10投稿
閲覧数[857] 良い投票[0] 悪い投票[0]

独りで飲んでいる女性。見た目で判断したが、性転換した男性や女性も混ざっているだろう。
性別も判断出来ないのに一人一人の人間性など皆目見当がつかない。一つだけ言えるのは、皆楽しそうな事だ。
バーと言えばこの酒だろうとの勝手なイメージから、バーボンのロックを頼んだ。意外な事に、多くの客がタバコをバカバカ吸っている。500年前の禁煙ブームは一過性だったのだろうか。
肺を壊しても大丈夫なバックボーンが確立しているのだろうか。そうか、再生医療か。この時代なら皆内臓のスペアを持っていそうだ。
僕も喫煙者だったので吸いたくなってきた。バーテンにタバコも頼んだが、銘柄も尋ねられずそれは差し出された。ライターもくれた。
タバコは見た事の無いパッケージデザインだ。白を基調として幾何学模様が描かれている。銘柄が見当たらない。予想されるのは、タバコの種類が一つしか無く、名前を付ける必要が無いという事だ。タバコメーカーが一つしか無いのだろうか。
とりあえず封を解いて一本取り出した。葉巻のような甘くコクの有る香りが発散された。口にくわえ、吸いながら火を付けた。無意識にそうしていた。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 シンヤ・G 」さんの小説

もっと見る

SFの新着小説

もっと見る

[PR]
荒木さやかchan
プロデュースバスソルト


▲ページトップ