この学校、月光高校は、元男子高だった。校舎を新しくして、今年から共学になったのだ。しかし、思ったほど女子が入ってこなかったらしく、全校で男子約600人に比べ、女子はわずか20人程度。1クラスに4人くらいだ。まぁ、男子の方が多いと知っていて入るモノ好きな奴はそうそういないという事。あたしがここに入った理由は、ただ単に家から近かったからだ。歩いて大体10分くらいかな。寮制だってことは知らなかった。お母さんが教えてくれなかったんだもん。多分、あたしが変なバイトとかしたりしたら困るからだ。いつもくどくど言ってたし。そりゃあ、寮制には憧れてたよ?でもそれだったら少し遠い方が親の目から離れられるからその方が良かった。今更そんな事言ってももう遅いけど。
ココだ。女子は少ないから、部屋が1人1部屋ずつ与えられる。その点は良いことだ。0362とかかれているドアを開け、中に入った。中は一人で暮らすには勿体ないほどの広さだ。どれだけお金を注ぎ込んだんだろう。
二段ベッドの上の段に上がって携帯を枕元から取り出し、開いた。あ、メールきてる。
『今教室いる?……いないよな。うさぎのクラスに明日転入生来るらしいよ。山中先生が言ってた。なんかすごいハンパだよなぁ。どんな奴だろ。男だって』
速水君か。男はこれ以下増えなくていいよ……。ってか良い女子いないかなぁ。あたしのクラスの女子ってすっごい暗い人が1人と、すっごいウルサイ人が1人。どっちもあたしに合わないよ。他クラスの女子は話したコトないし。男子はわりと良い人いるんだけどなぁ。優しい人とか結構多いし。……速水君はなんだろう……。
『そうなんだ』まぁ、とりあえずコレだけでいいよね。眠いし……今は寝たい……。