ピピピピ…ピピピピ…ピピピピ…ピピピピ
ったく、五月蝿い。
ピピピピ…ピピピピ…ピピピピ
こっちは仕事で疲れてんだ。
少し寝かせろ…。
ピピピピ…ピピピピ…ピピピピ…ピ…
つい5分ほど前からベッドの隣でギャーギャーわめき散らしていた目覚まし時計を止めると俺は布団の中から這い出した。
誰の特徴を受け継いだのか知らないが、俺ーー九条司(くじょう つかさ)ーーーは物凄く朝に弱い。
月に一度の3連休。眠らずに過ごすというのはなんとも惜しい。
おい、そこ、笑うな!
しかしながら、いつまでも寝ているわけにも行かない。
……ということで俺は半寝半起状態の腐れ脳ミソに更なる覚醒をもたらすために、ベッドから数メートル離れたベランダに繋がるスチールサッシを開けた。
この目覚ましは以前本で読んだ方法で、それなりの効果が上がることと、「朝起きて光を浴びるだけ」というメチャクチャ簡単なことであるためという、朝に弱い俺にはうってつけの方法であるのだ。
寝起き特有のモヤモヤ感が、早朝の涼風によって洗い流されてゆく。
「……あの〜、すいません……?」
物凄い美少女がそこに居た……。