クリスマス・イブの夜!
結局。。私は一也と過ごすことになった。
俊也の口からは、一度もクリスマスの話はでないまま。。今日になってしまった。
約束のレストランに着くと、珍しく一也の方が先に来ていた。
「早いじゃない!いつも遅れてくるのに・・明日はきっと雪ね!」と言った私に
「クリスマスに都会にも雪を降らせたくてね〜!できたら今晩あたりから降ってくれたら、ロマンチックなんだけどなぁ〜」と一也は笑って言った。
一也は、頭の回転も早く、気のきいた言葉も次から次へと出てくるし、さりげない優しさや気配りもできる。。ホントによく出来たひとだった。
出会った当初は、そんな一也のそばにいられるだけで、すごく幸せだった。
食事の間も、一也の話を聞き、私は笑顔を浮かべながら頭の片隅で探し、考えていた。
私は・・いま幸せなのかな?何に幸せと感じているのかな?
食後にエスプレッソをのんでいたとき、一也は、そっとテーブルの上に綺麗にラッピングされた小さな箱を置いた。
それが何かなんて。。このシュチュエーションから考えれば・・すぐにわかった。
一也は言った。
「来年の春に、転勤が決まりそうなんだよ。。奈緒。。一緒に来て欲しいんだ。そばにいて欲しいんだよ」
私は、一也の差し出した、小さな箱に視線を落としながら、答えた。