親指サムの話

しお  2007-12-13投稿
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親指サムはジョナサンを愛していました。

心から愛していました。


だからどこへ行くのにもいつも一緒。

ジョナサンがあっちへ行けばサムもあっちへ。

ジョナサンがこっちへ行けばサムもこっちへ。

ジョナサンの隣にはいつも親指サムがいます。

だからサムの隣にはいつもジョナサンだけがいました。


だけど。


ジョナサンの隣にいるのは親指サムだけじゃなかった。

ジョージというその男性はスラリとスマートなスポーツマン。

何でも器用なジョナサンと並べば、なんとお似合いなカップルでしょう。


それを見ていた親指サムは、なんとも悲しい気持ちになりました。

でもサムは諦めたわけではありません。

みんなと少し離れたところで、ジョナサンに振り向いてもらえるように、いつも頑張っています。


みんなが丸まっても一人で外へ。誰よりも太く、強く。今日も頑張っているのです。

いつの日か、ジョナサンが振り向いてくれるその日まで。

今日も頑張っているでしょう?



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