『いらっしゃいませ』
どうせ彼じゃないと思って私は入口を見なかった。すると従業員が、『優奈ちゃん指名です』
慌ててテーブルに行くと彼だった。
『遅くなってごめんね』
『全然いいよ〜♪』
と私は言ったのだが実はものすごく気にしていたのだ。彼は楽しそうにしてくれた。私はこの人の事が好きなんだと確信した…。あっと言う間に時間が過ぎてしまい私は彼に暇さえあれば毎日電話すると言った。
それから少しの間だがよく電話する間柄になった。しかも一回の電話で1〜2時間はずっと話をした。その電話は私にとって生きがいになっていた。ある日の夜夜中に彼と話をしていたら彼がうちに来る?と誘ってきた。店意外の所で会ってみたいと思っていたのでその言葉がとても嬉しかった。でもすぐには返事しなかった。結局遊ばれてしまうと思ったからだ。
彼が好き…どうしよう…私は悩んだ…今から行くと彼に伝えた。タクシーを呼び彼の家に迎った。
彼の家の近くに着くと電話して待ち合わせした。
彼が現われた。
『本当に来たんだね。ビックリしたよ』
初めに私を誘ったのは彼である…。
私は彼の家の玄関に入ると思いもよらぬものが目に入った…。
子供の靴だ…
台所は生活感溢れていてきれいに片付けられていた。 そう彼は妻子持ちだったのだ…。けれど子供も奥さんもいなかった。 私はショックだったのだが緊張で身動き取れずにいた。
彼は彼自身の事を私に話してくれた。ずいぶん前から奥さんと別居していて…子供は2人。彼は10代で結婚したと私に話をした。
私は『そうなんだ』と言うと彼は私の顔をじっとみつめた…。それから朝方まであまり会話が弾まらず帰ろうとした時、彼は和室に行き私を呼んだ。布団が敷いてあり、眠いなら寝ていいよと言った。とりあえず布団に入った。
口から心臓が出るくらいドキドキして体が震えていた…。
それから…彼と過ごしてしまい私は罪悪感どころではなくこの人になら遊ばれてもいいという感情になっていた…