…………
あの中学1年の時の寒い冬は忘れる事ができない…。
あの頃は、色々な事に対して好奇心を持ち、行動していた。
雪が降る寒い夜
バスケ部だった俺は、練習を終えてバスケ仲間と帰りを共にしていた。
あれは、土曜の夜7時ぐらいだっただろうか……。
前方に、わいわい騒いでいる女の人影が微かに見えた…。
遠くからでも聞こえてくるほどの騒ぎようで、俺は少しウザく思っていた……。とその時、前からこちらに走って向かってくる女子が手を振りながらこう言った…。
「あずみく〜ん。明日大丈夫?」と言い出した。
あずみとは親友でバスケを俺に教えてくれた男でもあった。
その女子は、息を少し切らしながら俺の目の前で手に持っていたポカリスエットを飲もうとキャップを勢いよく開けて、ゴクゴクと飲んでいる。そんな姿を間近で見ていた俺は…ぼ〜っと見ていた…。そう、俺が好きだった女子だ。元気という言葉が似合っていた女子の名が「なみこ」だった。
なみこを見ていたというよりも、見とれていたに近いだろうか…。
そんな俺に気づいたのかなみこは、飲んでいたポカリスエットを俺に向かって…「はい!これ飲む?」とさしだしてきた。
いきなりの展開で動揺した俺は言われるがまま、そのポカリスエットを持ってしまった…。
あずみとなみこが話しを続けていた…。俺には、その話しがさっぱり分からずあまり聞いていなかった。
それよりも、気になっていたのは、なみこが飲んだポカリスエットを手に持っていた事だ。
……関節キス……
頭にそうよぎり、勢いよく飲み干した…
すぐにあずみが、「やす!明日の朝5時から暇?」と唐突に聞いてきた。びっくりした俺は何も分からずに
「お…おう…」とだけ答えた。
その返事を聞いたなみこが、「そしたら朝ね!寝坊しないでよ。」とだけ言って帰って行った…。
内容を理解していない俺は、あずみに内容を聞いた。
「明日は、女2人と男3人で家に集まって遊ぶんだ。楽しいぞ!!」と言ったあずみの顔はにやついていた。
集まる家とは、まいと言う女子の家だ。父を医者に持ち大きい家である事が学校では有名だった。
何をするか分からないが朝から忙しい奴は、滅多にいるわけないがない。まぁ、いいか…と自分の心の中でつぶやく…。