ロジック 第1部 ?

KOH.  2006-04-02投稿
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 『…許さない。絶対見つけて、殺す』

 『…ダメだよ』

 マキさんは俺を制止する。

 『そんなことしたって、マキは喜ばないよ』

 『わかってますよ、そんなこと。冗談ですよ』

 『わかってないよ、きっと、犯人見つけたら、あなたは本当に殺すよ?』

 お互い、震えているのがわかった。意見こそ食い違えど、その震えは2人ともに、未だ捕まっていない犯人への「怒り」だった。

 『…手を組みましょう。犯人を、捕まえるために』

 『……………』

 『2人とも、思いは同じなんだから。あなたの殺意は、私が抑える』

 『……………』

 俺は、いまいちマキさんが何を考えているかわからなかった。俺と手を組んだところで、マキさんには何の得もないはずだ。それに、俺の犯人に対する殺意を、どう抑えるというのか。もっと言えば、俺は気付いていた。…マキさんだって、犯人に殺意を抱いている。俺に諭すようなふりして、実は自分で自分に言い聞かせようとしている。

 …複雑な感情をお互い抱いたまま、俺とマキさん、2人の奇妙な犯人探しは、ここから始まった。

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