誘われても滅多に行かない僕だったが、いつも断る事が多かったので悪いと思いしょうがなく行く事にした。スナックと言っても想像するような華やかな所ではなく、家族で経営している笑いの絶えないほのぼのする所だった。
いつもママの家族と中国人二人、五十歳位のお姉様?だいたいこんな感じのオールスターメンバー。たまにはうちの店にも来てくれる大切なお客様でした。
その日は今でも覚えているが、三年前二月の最後の日だった。その日はものすごく寒く、そして言葉にならない程心が熱く締めつけられた日だった。
いつもの様に仕事を終え最初に居酒屋に向かう。ある程度食べビールも二杯位飲んだ。僕は昔からアルコールは強い方なので平気だ。飲みに行って嫌なのは、オーナーの家庭の愚痴と店と僕の売上の話。何の職種でもそうだが、経営者は言いたい事、僕にとっては長く苦痛の時間に思える。
我慢して聞いているうちに、オーナーはすっきりしたのか会計をする事にした。