戦国異聞〜鬼と竜〜8

オケピ  2007-12-16投稿
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『その策を立てたのは、誰だ?』

歳三は正宗に聞いた。
『北条だ』

正宗は苦々しそうに答えた。

『北条か。どうやら、北条と言う男は、よほどの馬鹿か、三流のぺてん師のようだな。』

歳三は容赦ない。

『ああ、俺様もそう思うぜ。だがな、そんな策に上杉と前田が乗った。ってのがどうしても信じられねえ。』

正宗は疑問を口にした。

『乗ってしまったのは何故か?取り敢えず今はそんな事より、続きを聞かせてくれないか。』

と、歳三。

『あ、ああ、まあ、結局はあんたの言った通りになった。だが、一つだけ違う事がある。』

『なんだ?』

『北条の野郎は、慎玄と通じてやがったのさ。』

正宗は忌々しそうに言った。

『なるほど。ならばその馬鹿げた策を立てた事に合点がいく。それで?上杉と前田はどうなった?』

『前田は、徳川、明智、北条の軍から囲まれ、あっけなく討たれちまった。』

『上杉は?』

『上杉は、雪村に殺られちまったぜ』

と、正宗

『しかし、上杉謙心と言えば、かなりの猛者だろう。』

歳三は聞いた。

『相性が悪かったのさ』

『相性?なんだそれは?』

歳三の眼が鋭く光った。

『あぁ?知らねえのか?あんただって雷の剣気を纏っているじゃねえか。』

『ああ、あれか。あれは生まれつきだ。言われてみれば、俺のいた所には他にそんな奴は居なかったな。』

歳三、懐かしそうな眼をした。あの沖田や近藤や斉藤でさえ、そんな剣気は纏っていなかった。沖田からよく羨ましかられたものだった。

『ほう。どうやらあんたは最初からこっちに来るべき男だったようだな。』

『どういう事だ?』

歳三は聞いた。

正宗はやれやれと言った風に続けた。

『こっちでは、そう言う奴等を、「神力者」と呼ぶ。まあ、大体は殆どの武将が持っているがな。因みに、俺様の神力は御存知の通り、焔だ。』

歳三は驚いた。自分に神の力があると言うのか。

『んで、さっきの相性だがな。上杉は水で雪村は氷だったのさ。』

『よく解らん。』

『しょうがねえなぁ。頭使えば、解るはずだぜ?』

正宗は面倒臭そうに言った。

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