『君、いつもそんな簡単に人を信用するの?』
『いいえ。そんな事ないけど、さっきあなたがあの男性と話してた事‥聞こえちゃったから。』
『えっ?!‥もしかして、3日で20万負けたってやつ?!だから俺が一文無しだと悟ってそう言ってくれた訳?』
『‥うん。』
『ハハハ。あれはね、嘘なんだ。とっさに思いついた嘘。でもね、ネットカフェ難民てのはホント。』
『‥‥‥。』
『だからさ、本来病院代も払える訳がないんだけど、まさか君にそこまで迷惑掛けられないから。ごめんね。心配してくれてありがとう。』
そう言って俺は体を起こした。
まだ体がダルイ。
栄養失調の体は、体力が戻るのもかなり時間が掛かるらしい。
ふと、彼女はペンとメモを取り出し、何かを書き始めた。
木下 奈央
090ー?〇?〇
ー〇?〇?
NAO.K0501@**web.ne.jp
『はいコレ。あたしの番号とアドレス。ケガが心配だから、経過報告してください。』
そう言って彼女は俺にメモを渡した。
『じゃあ俺も。』
松田 智也
090ー〇?〇?
ー?〇?〇
zjr1300@**web.ne.jp
『はいコレ。俺のね。』
これが俺と彼女の出会いだったーー。