aki-第1章-?

1003  2007-12-17投稿
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「でも………。」
私がどうしたら良いのだろうと戸惑っていると、彼が何かを差し出してきた。



「これ、今朝拾ったんですよ。失礼だとは思ったんですが、中を見させていただきました。」
彼が差し出した物は、財布だった。



…そう言えば、佐々木課長、財布を落としたって今朝騒いでいた…。

私は心の中で軽く佐々木課長に舌打ちしたい気分だった。



「本当にわざわざどうもありがとうございます。」
私がお礼を伝えると、彼は「いえ。」と小さく笑って出口へ向かった。





しばらく私はそのまま立っていた。
この後は、きっといつも通りに仕事をこなして、いつも通りに帰宅して、いつも通りの生活に戻る。



少し、名残惜しく感じていた。



さっきまで降っていた窓の外の雪はやんでいた。





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