お手を…どうぞ?
お姫様。
王子様は、ワタシに手を差し出す。
ワタシは…その手を…
取れないわ。
だって…好きじゃないんですもの。
…ワタシが…好きで焦れてるのは…
ワタシに素敵なお洋服をくださった…
魔法使いの…貴方。
12時前に抜け出して、駆けて行くわ。
愛しい君の元まで。
だから…
お願い…
ワタシを…待ってて下さい。
“本当のワタシ”を見付けてくれた…
唯一の貴方。
お願いよ?神様。
ワタシが着くまで…彼を…掴まえていて。
魔法が解けて…灰だらけの服になって、素足になっても…貴方の元へ駆けて行き…
貴方を抱き締めたいの。
ワタシだけの魔法使いさん。