赤木結花のマンション
ピンポ〜ン！
部屋のブザーが鳴る
応答がない
ピンポ〜ン！
しばらくして
「カチャカチャ」
ドアの隙間から顔を出す赤木結花。
結花 「は〜い」
訪問者はドアの隙間に素早く手を突っ込み強引に開く。
バダッ！
ドアストッパーに激しく扉が叩きつけられる。
怯む結花
結花の目の前には上下黒のﾚｻﾞｰｽｰﾂを着た長い黒髪の女。
細身で浅黒い肌をした背の高いその女は、
眼だけ虚ろで濁っている。
女 「み〜つけた―」
状況が掴めず後退りする結花。
部屋の中を見渡しながらゆっくりと侵入してくる女。
「久し振りだね〜結花ちゃん。かなり捜したんだョ〜」
結花 「？」
結花 「！．．まさかあなたは．．ノリユキを追っていた．．．ｼﾙﾊﾞｰ髪の男」
女 「ピンポ〜ン！でも女だョ」
虚ろな眼で結花を見下ろす女は、結花の腕を掴み
「ノリちゃんが逃げちゃったんだよね〜いま何処に居るのかな〜知ってるんでしょ〜」
結花は掴まれている腕を振り払いながら
《ノリユキが逃げた？》
「知らないよ！」
女 「隠したら大変なことになるﾖ〜」
女は太股のﾎﾟｹｯﾄからｼﾞｬｯｸﾅｲﾌﾅｲﾌをとり出すと結花の透き通る様な白い肌の頬にあてる。
結花 「あたしが知りたいよ。あれからなんの連絡も無いんだから！」
女 「ほう どうだかな〜愛した男を死んでも守るか．．．．ムカつくんだわさ！」
女の右腕が小刻みに震えている。
女「くっ、こっ．．こんな時に〜くっそ〜」
「ドッ！」
結花 「！」
結花の脇腹にｼﾞｬｯｸﾅｲﾌが刺さっている。
女 「お前が悪いんだ！．．またね〜結花ちゃん．．．生きてたらね〜」
女が出て行く
結花は脇腹を触りながら状況がまだ信じられないといった感じである。
結花 《つっ！いったぁ〜い．．なんで刺すのよ！あの女．．ほんとに知らないんだから．．私が知りたいわよ！．．》
結花は脇腹を押さえながら軍隊のほふく前身の様な格好で身体を引きずりながら
《携帯はどこ．．．電話．．しなきゃ．．しっ．．死ん．．じゃう．．．．．たすけて．．．．》
《ノリユキ》
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