Electrocutionist ?

KOH.  2006-04-03投稿
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 『!!?』

 『あれ、旦那様、どうされましたか?』

 そこには、彼の執事が立っていた。

 『びっ、びっくりさせるんじゃない!!それより、これはどういうことなんだ、牢の中身はどうした!?』

 かなりパニックになっている男に対し、執事は静かに微笑みながら言った。

 『牢の中身…ですか。私めとしましては、旦那様ほど、素晴らしく牢屋の似合う方はおられないと思いますが…』

 『なっ、何をわけのわからないことを!?冗談にならん!!しかも質問の答えになっていないじゃないか』

 激昂する男に、執事は表情も変えず、懐から何かを取り出す。…スタンガンに見えるそれを、主に…。

 『やっ、やめっ…』

 『冗談…?いや、そんなつもりは。そんなに中身が気になるなら、旦那様が入っておられればいいのに、と提案したんですよ、優しいですね、俺って』

 バチィッ!!!!

 ………………。

   * * *

 それから暫く後。

 主が帰って来ないと心配した執事が、牢に様子を見に行った。

 カツ…カツ…。

 『………??』

 人の気配がしない。女の姿が、どこにも見えない。彼は不思議に思い、歩みを進める。

 カツ…カツ…。

 その先の牢の中に、彼が見たのは…。

 同じ時間、執事の恰好をした男が、大きなボストンバッグを抱え、屋敷を出ていったのに、気付く人はいなかった。

 …さぁて、次は誰の処罰を執行しますか。

         *完*

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