朝からそわそわしていた。
主人を送り出し、子供を送り出し、支度をして、家の鍵をかけて、電車に飛び乗った
たつやは、大阪に前日から泊まっていた。
部屋番号は聞いていたので、そのままホテルに向かった。
ピンポーン♪
「はい」
笑顔で部屋の扉をあけた。
…
黙って部屋に入る。
「なお…」
後ろから抱き締められた。
以前のときめきが半減していることに気付いた。
「たつや…」
後ろからの腕をほどき、振り返りみつめた。
「どした?」
「…」
目線をそらした。
「…別れよう」
ずっと考えていた、若いたつや、独身の彼は未来がある。
私が既婚である以上、いつまでも、束縛できない。大阪に来るとわかっていたときから考えていた。
「どうして…」
「…」
当然だ。いきなりどうしてだろう。
「私は結婚して、子供もいてる。」
「それは承知した上だ!なおを失いたくない!別れたくない!」
たつやは、私をベットに押し倒した。