形質

もね  2007-12-19投稿
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私が消える日は、
生まれた日と同じ、
爽やかに晴れた日の、
美しい空の下。
私が消える日は、
みんな泣くけれど、
顔の裏側は、
それぞれ違う顔。
私が消える日は、
そんな人達の、
不思議な感情に、
サヨナラを告げる日。
独りの人間が、
消える事なんて、
一つの苛立つ、
出来事に過ぎない。
私を嫌う、
他人に取っては、
罵り言葉を、
増やすかもしれない。
それでも私は、
自分の命を、
戸惑いながら、
純粋に生きた。
誰にも解らずに。
道端で野垂れ死ぬ猫も同じ。
ただ足りない自分だけで、
懸命に生きた証。
魂に包んで。
命と道連れに、
持っていける物。
誠実よりも激しく、
持っている誇りを。
さようなら何もできなかった。
自分の事さえ。
さようなら何も理解できずに生きた。
他人の思惑。
涙も出ずただ思い出す。
私が消える日、
全てが終わる。
何も変わらずに、
全てが終わる。


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