「な、なんでお前。」
「私、まだ聞いてなかったから。ちゃんと私と分かれる理由。」
彼と視線がぶつかる。すると下を向き、うつむく。
「だから、お前の事前みたいに想えないっていったろ？」
視線をはずし、どこか遠くを見つめる彼に胸が苦しくなる。どうしてこの人はそこまで私を傷つけまいとひっしなのだろう。とたんに涙が溢れた。
「なんで話してくれないの。本当の事。」
「本当の事？・・・なんだよそれ？」
「病気なんでしょ？もう治らないって。」
彼は少し驚いたそぶりをしたが、すぐに微笑み『知ってたんだ』とつぶやいた。その寂しげな微笑みにまた涙が溢れる。やっぱり本当なんだと、、
分かっていたけどやっぱり本人に認められてほんの少しの希望さえなくなってしまった・・・
「会社で健康診断があってさ、頭に腫瘍があるってわかったんだ。それがもうでかすぎるわ血管巻き込んでるわでとれないんだと。んで、圧迫された血管やらなんやらがいつ限界をむかえるかわからないって。」
「だからって、なんで別れなきゃならないの？」
「お前のためだろ！こんないつ死ぬかも分かんない俺といたって、未来なんかないだろ」
「・・馬鹿じゃないの。」
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