「これは珍しい、チビリの圭佑やないか?」俺の背中から懐かしい声が聞こえた、俺はすぐに振り向き声の主を確認した、そこにはよく三人の遊び相手をしてくれた住職の増田(増爺)が立っていた、増爺は七十才後半の白髪、白髭のお爺ちゃんだ、「どないしたん?一人でこないなとこに?」増爺は俺の横に座りながら言った「何でもあらへん、ただここからの景色を見たくなっただけや。」お寺の石段の上からの景色は俺にとって世界で一番好きな景色だった、「そうか…ところでお前のおかんはもう元気か?」「まぁな、まだ薬は手放せないみたいや