「風(ふう)ちゃん〜!」
『ぉっ!かな〜ぉはょ☆』
私は風17歳。そしてクラスメイトのかな、親友だ☆
「風さぁいつも窓の外見てるけど、何見てるの?ぁ、もしかしてぇ〜?好きな人いるのかぁ!?」
かながつつきながらからかう。
『馬鹿、違うよ〜空見てるのー!』
「なんだーつまんないの」
本当はあの人を見ていた…。
-----1年前-----
「てめぇふざけんなよ!」
『やめてよ!私はそんなの知らない!』
私が友達の彼氏をとったと嘘の噂を信じ誤解した友達が私を殴った。
服もグチャグチャ、髪もグチャグチャ悲惨だった。
携帯を窓の外に投げられ急いで取りに行った。
そこにはひとりの男がいて、私の携帯を持っていた。
『あ、それ、私のです』
「うわ…ひでぇな…」
私の姿を見て顔をひきつかせている。
『あ…えと、ころんじゃってヘヘッ』
「そうか……………はいこれ」
『ありがとうございます』
あ〜ぁ携帯壊れてる…。
歩こうとしたらお腹がズキンッと痛んだ。
『いッ………』
しゃがみこみ痛みがひくのを待った。
「おい大丈夫かよ??ほら、」
男は私の前にしゃがみこちらを向いて背中に乗れと合図した。
『や、いいですって!歩けます!』
「馬鹿かよ?足から血出てるし、腹痛いんだろ?早く乗れよ!」
口調から苛立っているのがわかった。
「はい…すいません…」
ひょこっと乗るとゆっくり歩き出した。背中が大きくて心地好くて安心したのか、なぜだか涙が出てきた。