ひなたの憂鬱 1

える  2007-12-20投稿
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私が、心の雲を払うのに、42年かかった。
振り返ってみると、いつも憂鬱で、それは他人には全くわからない事だった。
誰かが、わかってくれたのなら、42年もかからなかったのかもしれない。
そして、それを他人にわからせなかった自分は、もしかしたら、主演女優賞物だな…などと思い、ふっ、と笑ってしまったりする。
果たして、心に憂鬱のない人などいるのだろうか?
皆、幸せそうに、ひなたの道を歩いてはいるけれど、それぞれの心には、なにかしらの憂鬱があって、幸せのひなた道を歩いているように演じているだけの、役者ばかりなのではないかしら…
結婚生活19年で離婚にふみきった私は今、中3の娘と、16匹の猫と暮らしている。なぜ、猫はこんな数になってしまったのか!
初め一匹だった雌猫は、お産を三回経験し、姿を消した。
もしかしたら、彼女も今、憂鬱から解放されたのかもしれない。
何匹かは、人にあげたのだが、結果16匹。お産を繰り返している時、私はとても幸せだった。今思えば、精神的におかしかったのではないだろうか。
愛してやまない光子と名付けたその雌猫のお産を、自分の幸せにおきかえて、不幸ではないと、幸せに暮らしているんだ、と思いこんでいただけなのではないのか?
幸いな事に、猫は心底すきなので、なんとか一緒にくらしているが、今の精神状態でこの猫達を見渡すと、当時の自分が猫に憑かれているとしか思えない。



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