aki-第2章-?

1003  2007-12-21投稿
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珍しく時間に正確に行動してしまったからなのか、社員食堂は賑やか過ぎるくらい賑やかだった。
今朝の事があったのに、なるべく人混みは避けたい。


私は、Aランチを頼むと1番奥の1番端の席に座った。
「いただきます。」
私のひとりの食事でも、ついいつも手を合わせて声にしてしまう癖だ。



「ひとりなのに手を合わせてしまうんですね。」
笑いをこらえながら聞こえた声は、聞き覚えがあった。

おかげで私はむせてしまう。




どうして?




「前、失礼します。」
確かめなくても気付いてしまう。


声の主は彼―――戸川さんだった。


言葉が声にならないまま、私はただ見ているだけの状態になっていた。




「と…戸川さん…?」
こうやっとの思いで私は言った。

「どうしてここにいるの?っていう顔をしていますよ。」
何ともない顔をして彼が言った。
それでも何も言えない私に、彼は続けて言った。

「今日は偶然こちらで打ち合わせがあったんです。」
と、『来客用』と書かれたネームプレートを揺らしながら私に見せている。






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