「あっ!ねぇ僕ぅ、キラキラ光る宝石を見なかった?」
「ぇし…て」
「えっ?」
男の子は初めて口を開けた。
「かえしておばちゃん」
「…?何を返せばいいのかな?」
「今まで取ったモノ全て」
「宝…石…?」
「そうだよ。早く返して」
と男の子は顔を上げた。
「!?」
女性はあまりの驚きに声も出なかった。
なんと男の子は…右目がなかった。それだけではない。頭の調度てっぺんぐらいから血が流れ、先程まで顔ばかりを気にしていたから下を見ていなかったのだが…なんと両足を無くしていたのだ。
「早く…返して」
女性は怖くて声が出ない。「早く…返して…早く…返して…早く…返して…早く…早く…」
段々男の子の声が低くなってきた。
「早く…返して 早く返せ早く返せ早く返せ早く返せ早く返せ早く返せ!早く返せ!早く返せ!早く返せ!早く返せ!早く!!」
「あ…ぁ………キャァ------」女性は駆け出した。
<続く>